Project 01

M-BOM連携プロジェクト

当社独自の開発力と提案力を駆使して
お客様の困り事に最適なサービスを提供

以前は大手の製造業のものというイメージが強かったPDM/PLMシステム。
製品作りに関わる全部門を結ぶため、中小中堅企業では莫大なコストと手間に見合う効果が出しにくかったのだ。
しかし現在、モアソンジャパンには、これまでPDM/PLMの導入を見送ってきた企業からのラブコールが多く届いている。
その理由を、ひとつの事例とともにひも解いてみた。

ソリューション事業部 プロダクト営業部 H.I

中堅メーカーを悩ませる、二者択一の改善

モアソンジャパンのソリューション事業部は、どちらかというと商社の性質が強い部門だ。CAD/CAMシステムをなどのアプリケーションや機器の販売をはじめ、機器や生産管理システムなどPLM全般に関わる商品を扱い、導入や保守までを一貫してサポートしている。
ソリューション事業部では、大手から中小企業まで幅広い顧客にITソリューションを提供してきたが、中小企業ではPLM(プロダクト・ライフタイムサイクル・マネジメント)のように大規模なシステムを、一度に導入するのは難しい。業務の効率化は図りたいが、そこまでコストはかけられないというジレンマである。

今回取り上げる「M-BOM連携プロジェクト」も、そんな製造業のお客様からの相談だった。担当者のH.Iは振り返る。

そのお客様では、さまざまな部品を組み合わせる製品を製造しており、多いものになるとひとつの製品に対して100種類を超えるバリエーションがあるというものでした。その設計と部品の管理には既に3D-CADシステムが導入されていたのですが、問題はその次の工程にあったんです

というのも、その膨大な種類の製品を工場で組み立てるためには、同じく膨大な作業手順書が必要だが、3D-CADの役割は、設計図面と必要な部品を管理する「E-BOM(設計構成表)」と呼ばれるリストを作るところまで。プラモデルで言えば、組立説明書の1ページ目に記されたパーツリストのみの状態だ。肝心の組み立て方は、そこには書かれていない。
そこで、そのお客様ではCADから部品表と組立手順に沿った3D画像を出力して、作業手順書をひとつひとつ手作りで作っていたんです。3D-CADの導入で製品バリエーションを広げられた分、そこにしわ寄せが集中してしまったんですね
その組立説明書に相当するものを『M-BOM(製造構成表)』と呼ぶが、世の中には既に3D-CADからM-BOMを作成できるアプリケーションがあり、そのお客様も当初は新しいCADの導入を検討したようだ。ところが、新しいCADを導入すると、これまでのシステムで作ってきたデータが使えなくなることが判明し、計画は暗礁に乗り上げてしまった。そこで当社に声が掛かったのである。

製造業共通の課題も見えてきた

BOM自体は生産管理システムの中核のひとつなので、得意なソフトウェア会社はたくさんあります。しかし、エンジニアが直接現場に出掛けて調査し、既存システムを生かした提案を行えるのはモアソンジャパン独自の強みです。その強みを生かして、現在のCADシステムからM-BOMを作成でき、工程情報を体系的に管理するシステムを提案したんです
お客様にしてみれば、『いいとこ取り』の提案のはず。とはいえ、開発はすんなりと進んだわけではなかったようだ。
例えばCADから出力した画像をスムーズに手順書などの帳票に貼り付けられるようにしたのですが、OSやアプリケーションによっては期待通りに動かなかったり、私自身のBOMへの理解が足りず初めて聞く用語に戸惑ったりと、順風満帆とは言えませんでした。

またお客様の設計部門も忙しいのでなかなか打合せやヒアリングの時間が取れませんし、部署ごとにさまざまな意見が出てきますから、交通整理も必要になります。ただ、そうやってお客様の業務に深く寄り添い、お客様が当たり前だと思っている課題を掘り起こしながら業務改善をお手伝いすることに、私たちの存在意義があります。ですから、自分が自然とお客様目線に立てるまで、極力お客様の元に足を運び、現場の理解に努めました。

ついにはお客様目線の理想を追うあまり開発を滞らせてしまい、社内から『アイツはどっちの社員なんだ』という苦情が出るくらい(笑)。でも、お客様にとことん寄り添うというのは当事業部に限らず当社の基本姿勢ですので、妥協はできません。実を言うとこのプロジェクトは現在進行形なのですが、すでにお客様からは高い評価をいただいており、苦労が報われつつあります
理想を現実に変える難しさも味わったというH.Iだが、このプロジェクトで得たものは大きい。BOMを使った工程管理や『身の丈に合った』PLMの導入は多くの製造業が抱える課題であり、同様の解決策を求めている企業は少なくない。また、プロジェクトを通じて「困り事のパターン」が見えてきたので、こういった開発経験を積み重ねていくことで、中小企業が導入しやすいモアソンジャパンオリジナルのPLMパッケージに昇華できるのではないかという夢も抱くようになった。
出入りするベンダーがたくさんいる中で、最初に私に相談してくれる。そんなお客様の存在が私の仕事のモチベーションになっています。ただ、個人的な感覚では、まだまだ当社の業務範囲はお客様に周知されていません。『モアソンさんって、そんなこともできるんだね』というお客様の驚きをビジネスに変えながら、ビジネスパートナーとしての信頼を勝ち取っていきたいですね